スーダン生活のまとめ

ご無沙汰しております。
更新が滞り、ご心配をおかけした方々…
本当にごめんなさい。 

私、すこぶる元気です!!

2年間の任期を終え、
3月27日に、日本に帰って参りました!!
早いもので、1ヶ月が経ちました。

スーダンでの様子をお届けしようと思い
始めた このブログ。 

今回、この2年間を振り返り、
終了したいと思っております!!


2年間を振り返るといっても…
いろいろな事が起こったはずなのに、
全てが日常になり過ぎていて。

何から どうやって
文章にしたら良いのか…
悩むうちに
月日ばかりが過ぎてしまいました。

落ち着いて振り返る事が
この2年間の経験を 今後に活かしていくためには
必要不可欠!! ですよね (^^;)

スーダンで何をしてきたのか
・どうだったか
・それにより何を学んだか

こんな感じで、書こうと思います!!


まずは、生活編!!

[アラビア語を勉強した]

学校のテスト勉強以外で、
初めて、語学勉強をしてみました。

記憶力が恐ろしく悪いため、
やはり苦手でしたが…

言いたい事が伝わった時の嬉しさ、
言葉の繋がりが分かった時のスッキリ感、

語学勉強が好きな人の気持ちが
少し 分かったような気がします!!

コミュニケーションは、言葉だけじゃない!!
確かにそうですが…
言葉も大切!!

これも、学んだことの一つです。

片言の 赤ちゃんみたいな言語レベルでは、
やっぱり バカにされる!!
対等に扱ってもらえない!!

特に、
真面目な話をする時。

相手が一生懸命話してくれたことが、
理解できないと、
相手の意欲はガタ落ち。

何度も説明するのは
面倒くさい~ってなる。
そりゃ、そうだ。

日本で仕事をしていた時は、
巧みに 言葉を使っていたんだなぁ。
言葉に頼ってたんだなぁ。
って ことを実感。

語学勉強って、地道なんですね。
覚えたら 覚えた分だけ
話せるようになる。
聞き取れるようになる。

そして、終わりがない。

厄介なのは、
忘れる時のスピードの速さ!!
すぐに忘れちゃう!!

これも実感中。
帰国して1ヶ月なのに
もう、かなり忘れてる(^^;) 

2年間住んでいても、
もちろん語学力は不十分。
非言語コミュニケーション能力は
高まったかなぁ?!
と思っています。

[スーダンで生活した]

そりゃ、そうです。
住んでいましたから!! 笑

旅行には
よく行く方だと思うのですが、
国外の同じ場所に
定住したのは初めてでした。

旅行とは全然違うなぁ!!
っていう感想。

結婚式にお呼ばれしたり、
ラマダンを満喫したり。 

いつもの商店にお買い物に行き、
顔見知りのおじちゃんと 立ち話。

停電になり
室内の暑さに耐えられず、
一緒に 外で涼んだり とか。

水道が壊れたり、
エアコンが壊れたり、
壁が剥げてきたり。

そんな事も ありました。

客様用に用意した
特別な出来事ではなく、
スーダンの人達が
日常的に行っている
ごくごく 普通の事を
一緒に体験できる。

だからこそ 見えてくる
人間関係や 生活習慣
考え方の違い などなどなど。

初めは、
「どうして こうなるの?!」
と 思っていたことも、
「そうだね。仕方がないね。こうなるね。」
と 理解できるようになる。

馴染みすぎると、
問題点が見えなくなるから
それも 一丸に良いとは言えませんが…

共感できるのは、
一緒に生活したからこそ だなぁと思います。

共感力が高まった!! かなぁ?!

[イスラム教について学んでみた]

日本に住んでいる時は、
信仰について考える機会は
ほぼ ありませんでした。

スーダン人は 大多数がイスラム教。 

お祈りの時間を知らせる放送(アザーン)は、
どこに居ても聞こえます。

みんな 事あるごとに、
「アル ハムド リッラー」(神様のおかげです)
「イン シャー アッラー」(神様が望むならば)
っと 言っています。

女性のほとんどは、
タルハ(髪の毛を覆って隠す布)を着用し、
長袖と長いスカートで、肌を隠しています。 

日本語に訳されたものなので、
解釈に偏りがあるとは思いますが…
経典のコーランに何が書いてあるのか。
とりあえず 読んでみました!!

機会があるごとに
いろいろな人に
気になる事を 片っ端から
聞いてみました!!

スーダンで生活して、
以前より 宗教観を
身近に感じられるようになりました。

私が感じる イスラム教とは。

絶対的な “神” という存在を信じ、
その教えに従う事で、
自分自身が未熟であっても、
大きく道を外れることはない。

迷い 苦しむことも
少なくなり、
自分自身をありのままに
受け入れることができる。

周囲の人達も
近しい感覚で物事を捉えているため、
安心感がある。結束力が強い。 

そんな風に感じました。

きっと、
国を 国民を統率する上でも
宗教の力は
必要だったんだろうなぁと思います。

プラスの面があれば
必ずマインスの面もある。

そのコミュニティから外れると、
要するに 他宗教の人達は
生活し辛いような気がします。

教えを そのまま受け入れる事で、
自分で考える力が低下するのでは?!
と感じることがあります。

何かマイナスの事、
例えば 非平和的な事であっても
それを善であると信じこむことが、
容易なのでは?!
と思ったりします。

同じ イスラム教徒でも、
解釈は人それぞれ。

同じ考え方の人は、
一人たりともいない。

先入観に囚われずに、
目の前の “その人” と向き合う事が
大切なんだなぁと
改めて 学ぶ良い機会でした。

次は、活動編!!

[現地のスタッフと一緒にリハビリをしてきた]

この仕事の良い所。
それは、実際にやって
見せる事ができる!!

何しているのか 良く分からなくても、
効果があれば、誰もが認める!!

残念ながら、
小児分野は、
分かりやすく 効果を出すことが
なかなか難しくもあるのですが…

とりあえず、
汗水流しながら、
一緒にできる事を
最大限 やってきました!! 

汗かき (特に顔面が) なので、
頑張ってる感が
他の人より 出やすいのは
ラッキーなところ 笑 

人手の足りない施設だったので、
役に立っている!!
という実感は 得やすかったです。

どんな形であれ、
理由は何にせよ、
相手に “必要” と思ってもらえる事は
関係性を気づく上で、
大切な事だなぁと感じました。

[知識・技術の伝達をした
   
(しようと試みた 笑)]

日本人がスーダンに来て、
仕事を手伝ってくれたよ~!!

でも良いのですが… 
現地の人達だけで
より良い物を作り上げていけるように、
自分達で 試行錯誤する力。

これを 伝達したかった!!
でも、とても難しかった!!

どの国でも、どんな仕事でも
同じような事が言えると思いますが…
モチベーションの向上・維持っていうのは
本当に難しい!!

現地の人達もそうですが、
自分自身も!!

あの手この手で、
工夫するのが、醍醐味ですね 笑 

何らかの形で、
スーダン人にとって良い物が
残せていたら 嬉しいのですが…(- -;)

[予約システムを導入してみた]

計画を立てることが苦手な人が多く、
何もかもが 準備なしで
急に 始まる。

そして、
臨機応変に対応して
何となく どうにかなる。

そんな事が 多い日々。

お休みの職員がいる日も
大量に患者様がきて…
ってなると、
対応はできても
治療が雑になるのは 当然。

いつ仕事が終わるのか
見通しが立たない中、
とめどなく患者様を見ていく。

ちゃんとした治療をしようとすると…
自分には 無理でした(^^;)

現地のスタッフ達も、
平均化されていない仕事量には
かなり お疲れの様子。

こんな状態では、
「勉強会をしよう!!」
って みんなで決めても、
開催されるはずがなく。

実際の治療に関わる事
勉強会を実施する事 で
治療の質の改善を目指していたけれど、
効果なし。

というか、
勉強会を開催すること自体が困難。

事務的な仕事に携わった事のない
ただのペーペー臨床家でしたが、

現状把握のため
受付係の人と一緒に机に座り、
患者数や リハビリ頻度 等 を調べ、
予約システム定着に向けて
チャレンジしてみました。

なかなか面白かったです!!

まぁ、こんな感じで

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ノートの管理だけでなく、
ページの管理も
しなければならないとは…想定外!! 笑

その他にも
いろいろ ありましたが、
何とか 定着しつつあります。

まずは、働きやすい環境。
頑張ろうって思える環境。

環境設定って
本当に大切ですね。

[健康増進のための体操を作ってみた]

スーダンに派遣されている
リハビリ職の日本人と一緒に、
糖尿病予防の体操を作ってみました。

完成度は。。。ですが 笑 

自分が 「やってみたら面白いかも!!」
って思った事を
周りの人達に話すと、

例え 思いつきで言った事であっても、
「イイねイイね、やろうやろう!!」
って、背中を押してくれる。
手伝ってくれる。

こういう
肯定的な意見をくれる人達が、
周りに たくさんいました。

効果があるかどうか。
成功させるためにはどうすれば良いか。
必要な準備は何か。。。

いっぱい考えすぎて、
結局 何もしない。

それよりも、
とりあえず 出来ることから始めてみる。

上手くいかなかったら、
また考える!!

それが 許される。
というか 国全体が
そういう雰囲気!!
(と 私は感じました 笑)

いろいろな事に
チャレンジしやすい環境。 

皆様の助けもあり、
実行力・行動力は
高まったかなぁと 思っています。

そして、その他!!

[いろいろ人の活動を見た]

ジャンルの違う仕事を見る機会って
あまり ないですよね。

行った大学は、
大学といえども
同じように
理学療法士を目指している人達ばかり。

そして、卒業後は病院勤務。

自分の知っている世界は、
本当に 狭い 狭~い ほんの一部分。

世の中には、
いろいろな人がいて

知らない事が
本当に たっくさんあるんだなぁ!!
と 改めて感じました。

あまりの 自分の無知さに
ヘコむ事も 多々ありましたが…

いろいろなお話を聞くのは
本当に 興味深かった!!

そして、
この2年間に出逢った人達は、
向上心の高い人
知識を吸収することに喜びを感じる人
情報処理能力の高い人
活動的な人
が 本当に多かった!!

現状に満足しすぎずに
自分も もうちょっと頑張ろう!!
って 思えるようになりました。
 
[Japan Dayの企画・運営に携わってみた]

スーダン人に向けて
日本を紹介するJapan Dayというイベント。

運営委員会を作って、
イベント企画に
初めて 携わってみました。

残念ながら、
デモの影響で
開催できなかったのですが…
準備だけでも、
とても 良い経験でした!!

どちらかというと、
自分一人で
コツコツと 何かを極めていく方が
得意な性格。

効率の良さを優先し、
一人で 何もかも
決めてしまいがち。

でも、
みんなの意見を吸い上げて
仕事を分担し、
力を合わせて 何かを作り上げていくことで、

自分一人では、
思いつかなかった アイデア
得ることができたり。

自分一人では、
捌ききれない 大量の物を
作ることができたり。

多くの人に
広報することができたり。

楽しみを共有できたり。

みんながいるから こそ
できることを
たくさん 経験させてもらいました。

また、
メンバー全員が
やりがいを持って 取り組む
=より良い物を作り上げる ためには、

それぞれの
得意な事 不得意な事を
認め合い、
相手を信頼して
仕事を分担する。
お願いすること。

分かりやすい方法で
情報を共有すること。

これが 本当に重要だと感じました。

あとは、
自分の記憶ほど
信頼できない物はない 笑

後にも 活かしてもらえるように
記録に残す事。

基本的な事ですが、
体験したのは
すべて 初めてでした。

一緒に活動したメンバーは
心が綺麗で 元気な若者が
たくさんいました。

自分のやりたい事だから!!
という 純粋な気持ちで、
何事も 楽しみながら
取り組んでいる人達。

こんな素敵なメンバーと共に
スーダンで活動できて、
本当に 自分は
ラッキーだったなぁと思います!!

この場を借りて…
自分に出逢ってくれた
みんなに 感謝!!
本当に ありがとう!!!

[日本語学習者との交流してみた]

遠くアフリカ大陸の
スーダン国にも、
日本語学習者がいました。

毎週のように
顔を見かける人達だけでも、
40~50人ぐらいは いたと思います。

日本から贈呈された
JAPAN HOUSE という
集会所のような所で、

柔道 空手 コーラス
書道 日本語を話す会 などなど。

様々な活動が
行われていました。

日本企業の進出が
ほとんどない国なので、
学習理由は 純粋に
「楽しいから!!」

純粋に楽しんでいる姿を見ると
心が洗われるようでした。

少しだけ 書道をしていたので、
“なんちゃって先生” を
させていただいたり、

日本人に向けて、
日本語で
スーダンを紹介する
ラジオを一緒に製作したり、

Japan Dayに向けて、
一緒にダンスを練習したり、

日本が誇る 有名な体操である
ラジオ体操を
スーダン方言アラビア語
吹き替えてみたり。

これ、
音声編集作業だけでなく、
録音するまでも、
苦労がたくさん。
思った以上に
すっごく 大変だった。

どれも これも
本当に良い 思い出です!!

日本の良さを
再認識する
とても良い機会になりました。

もっと ちゃんと
日本語が知りたくなったので、
日本語教師の資格を
とってみようかなぁ?!

書道の先生になれるように
本気で 考えてみようかなぁ?!

今後も、
何らかの形で
日本に興味をもってくれている外国人と
関わっていけたら イイなぁと思っています。


思い返すと、
こんな2年間でした。

全体を振り返って思う事。

それは、
スーダンで起こる事すべて
何もかもが 面白かった!!

スーダンでの生活は、
日本と違う事を挙げると キリがない。
というか、
同じ事を探すのが 難しい。
そんな 毎日でした。

何事も “面白い” “興味深い”
と 思えるほどに、
順応性が高まったかなぁ?!
と思っています。

そして、
人 対 人。
“相手とちゃんと向き合って、
 素直に心を開く”
という関わり方。

たぶんこれが、
この2年間で 一番難しかった。

日本では、
仕事を効率的に進めるための
人間関係作りが
自然に身についていて、

お話ししたい!!
やってみたい!!

純粋にそう思う気持ちだけで
行動していることが
いつの間にやら
消えかけていたんだなぁって。

この2年間で、
気持ちが若返ったように思います!!
少しは、純粋な気持ちを
取り戻せた?! かなぁ?!


素敵な人達と 出逢えました。
素敵な経験をさせて頂きました。
本当に感謝しています。
自分にとって
かけがえのない経験でした!!

このように書くと、
すごく特別な環境で
特別な事をしてきたような印象を
持たれるかもしれませんが。。。
自分自身は、全く逆の気持ちです。

求められているのは、
こんなに大変だった!!
すごく 価値観が変わった!!
っていうような 体験談かもしれませんが…笑

どこに行っても、
何をしていても
どう感じて 何を学ぶかは
自分次第だなぁって。

日本での生活で
わざわざ ブログを書こう!!
って ならなかったため、
文章にして 人に伝えようとした
この2年間が、
特別のように見えますが、

日本で暮らしていても、
スーダンで暮らしていても、
大して 何も変わらないなぁ
っていうのが
正直な 感想です。

今後、
どこで 何をするのか
全くの未定。

今、現在は
正真正銘のプー太郎ですが、 
“今ね、こんな事やってるんだぁ!!”
って、
自信を持って伝えることができるような、
そんな 生活を送りたいと思っています!!

それが 何よりも
“幸せ” なことなのかなぁって思っています!!


そして、最後になりましたが、
日本でも
何度か報道されているように、

スーダン国内で
デモが頻発し、
外務省から発表される
危険レベルが “2” に
あがってしまいました。

スーダンで活動中だった隊員は、
全員 一時退避となり、
日本に帰ってきています。

平和的にデモが行われているようで、
スーダン国内
街の雰囲気は いたって穏やか。

といえども、
事故を未然に防ぐためには
必要な決定であり、仕方のない事。

デモが頻発し、危険な国?!
という イメージが強まりかねない状況が
悲しくもありますが、

インフレが急激に進み、
国民の生活が
苦しくなっているのは事実。

スーダン国民にとって
良い形でデモが終息し、
情勢が安定することを
心から願っております。 


簡単に書くつもりだったのに、
膨大な量になってしまい
本当にすみません(^^;)

このブログのおかげで、 

自分の考えがまとまったり、
写真を撮るように心がけたり、

情報をちゃんと理解できるよう
しっかりお話を聞いたり、

出来る限り
誤解のない文章になるよう
日本語を調べたり。

最後の方は
滞り気味でしたが…
本当にいい機会でした。

何事も、
やって無駄になることって
1つも ないですね!!

このブログを読んで下さった方々、
声をかけて下さった皆様、
特に、
毎回 かかさずコメントを下さっていた
metaboukeさん。

皆様のおかげで、
心身共に
何事もなく 元気に過ごし、
任期を全うすることができました。

本当に 本当に
ありがとうございました!!!